第14回ナショナル・デー

コアング・トゥトゥラム・ドゥング(Dr.)駐日全権大使

民主主義と平和がエチオピアに根付いています

コアング・トゥトゥラム・ドゥング エチオピア駐日全権大使

コアング・トゥトゥラム・
ドゥング
エチオピア駐日全権大使

5月28日は、1991年に軍事独裁政権を打倒し、民主主義への道を歩みだした記念すべき日です。以来14年間エチオピアは平和と安定、また民主主義そして発展へと、大きな進歩を遂げました。過去10年間の経済成長率は平均6.4%を維持し、平和と安定が維持されています。
特筆すべきは、政策の進展により過去12ヶ月間に地方の発展が進み、その結果民主主義が深く定着しつつあることです。これは政府と国民とが協力し努力を重ねてきた結果です。

この日にあたり、エチオピア連邦民主共和国を代表し、日本の天皇・皇后両陛下、皇室の皆様、そして日本政府および国民の皆様に、エチオピアへお寄せいただいている真心からのご支援に対し、衷心より御礼申し上げます。さらに日本また隣国在住のエチオピア国民にも祝福の意を表します。

6月末までのこの一年間(2004/2005)は、エチオピアにとって、また国民にとっても大変多くの出来事がありました。貿易や投資の大幅な伸びが見られ、経済成長率は11%へと上昇しました。ヨーロッパ、中東、アジア、そして北米諸国が、我が国への投資を開始しております。また多くの海外在住のエチオピア人達が、自国での投資やビジネスを始めるなど、持続可能な発展への展望は、過去のどの時代よりも大きくなっています。

しかし最も大きな事柄は、言うまでもなく、三度目の国民投票が成功裏に行われたことです。1991年の独裁者メンギツ・ハイレマリアム率いた軍事政権の終焉より、三度目の選挙ですが、今回は以前には見られなかった多くの参加者と、その透明性が際立っています。また対立政党間の公開討論も初めて行われるなど、野党・与党ともに政府メディアが平等に取り扱い、国民の理解を深めました。その結果関心度も高まり、2600万人の有資格者の内90%の人達が、投票所に足を運びました。

さらに、この度の選挙ではAU、EU、アラブ連盟、カーター・センター等から派遣された外国人モニターが、選挙看視人として初めて参加し、選挙手続きの信頼性を高めました。50人の選挙看視人を派遣したアメリカの前大統領ジミー・カーター氏は「エチオピアの選挙は、民主主義発展の為の試金石である。」と語っています。他の外国人看視員達も同様に「何点かの例外を除いて、選挙は全体的に平和裏に進み、公平かつ透明性の高いものであった。」と述べています。

公式結果は未だ発表されていませんが、選挙のキャンペーンや投票が無事に執り行われたことは、エチオピアの民主主義が時を経て根付きつつあることを示しています。

この成功は諸外国また多くの皆様からの支援の賜物であることは間違いありませんが、ここで過去数年間の日本政府および日本の友人によるご支援について、触れたいと思います。日本からのODAは、インフラ建設、食糧安全また健康・保健衛生の向上等になくてはならない貴重な役割を果たしています。さらに日本がTICADを通してアフリカ支援を訴え、特に小泉首相が最近発言された「今後3年間にアフリカへのODAを倍増する。」との内容は、我国の開発にとって更なる恩恵をもたらすものと期待しております。

0401日本とエチオピアの関係は、愛知万博によってもより強固なものとなりました。エチオピア館では、1972年に発見された360万年前の人骨「ルーシー」が中央に展示されています。その他にもエチオピアはツーリストや投資家を魅了し、また相互貿易を向上させ得る多くの可能性を秘めています。
愛知万博への参加と合わせて、エチオピア・ナショナルデーが「5月16日」にエクスポ・ホールで開催されました。パートナー・タウンである鳳来町からは100人以上の小学生を含む数百人が駆けつけ、エチオピアと日本双方の小旗を振って歓迎して下さいました。また来日したエチオピア民族舞踊団による公演や、鳳来町の紅太鼓の演奏などが、式典を華麗に飾りました。

エチオピアと日本の交流は、アフリカのサブ・サハラ地域で一番早く始められています。まずエチオピアと現在のエリトリアとがヨーロッパ支配下にあった1923年に開始され、1930年には正式な外交関係へと発展しました。その後イタリア占領時の1935年から1940年の5年間の中断をはさみ、外交関係は1955年に再び締結されました。

二国間の相互関係は過去50年間に大きく発展しています。メレス首相も1993年より既に三回、セヨーム外務大臣も1991年より二度の来日を果たしています。日本からは前外務大臣の川口氏、また政務次官の河合氏、またエチオピア議連会長の自見氏率いる議連訪問団などが近年エチオピアを訪問されています。

エチオピアは日本からの経済協力優先対象国となっています。すでに数種類のプロジェクトが実施されており、追加プロジェクトもご検討いただいています。エチオピアにとって、日本は最も大切な開発パートナーであると認識しています。

エチオピアの歴史は3000年以にわたりますが、その間民主主義についてほとんど、いえ全く経験していません。しかし軍事独裁政権を追放した1991年から、次第に認識度が高まっています。日本のような国家との関係が深まるのに従い、国内での経済およびインフラが向上しています。過去10年間は過去のどの時代よりも多くの学校校舎が建設され、教育予算は以前の22%から64.4%へと増額されました。1991年の大学数は二校でしたが、現在は八大学を数えます。また道路建設は政府の優先課題であり、予算の40%が充てられています。

これら各分野の諸活動の発展が、5月28日をファンファーレの響きと共に祝福しています。

自見庄三郎氏 日本-エチオピア友好議員連盟会長 日本―アフリカ連合友好議員連盟副会長

自見庄三郎 氏 日本-エチオピア友好議員連盟会長 日本-アフリカ連合友好議員連盟副会長

自見庄三郎 氏
日本-エチオピア友好議員連盟会長
日本-アフリカ連合友好議員連盟副会長

日本・エチオピア友好議員連盟会長として、エチオピア連邦民主共和国の第14回目の国際日に際して心からの祝意を表します。
私は昨年9月、3度目のエチオピア訪問を行い、ギルマ大統領やメレス首相、高名なエチオピア議員の方々と実り多い会談を行いました。我々は皆、日・エチオピア関係が順調に育まれてきていることや、二国関係を更に強化するため、お互いが強い意思を持っていることを再確認しました。

2005年は日・エチオピア外交関係回復50周年であり、さまざまな記念行事が両国で予定されております。私は愛知万博でエチオピア・ナショナルデーが開催された際、名古屋に赴く機会を得ましたが、ナショナルデーが多くの人々の参加の下、成功裏に開催されたことを大変嬉しく思います。

私は日本・エチオピア友好議員連盟の会長として、また日・アフリカ連合(AU)友好議連の副会長として、日・エチオピア間の既存の友好関係、及び協力がさらに強固となるよう真摯に望むとともに、そのためにあらゆる努力を行う所存であります

梅田貞夫氏 (社)日本エチオピア協会会長

梅田貞夫氏<br />日本エチオピア協会会長

梅田貞夫氏
日本エチオピア協会会長

エチオピア連邦民主共和国の14回目のナショナルデーに際し、(社)日本エチオピア協会を代表し、エチオピア政府そして国民の皆様に謹んでお祝い申し上げます。
エチオピア協会は1971年より、エチオピア・日本両国の経済そして文化面での友好的な善意の活動を推進してまいりました。エチオピアの大学への奨学金贈呈、小学校へのイスや机の寄贈、また日本・エチオピア両国の児童達による絵画の交流などです。私どもは、これら教育を収めた青年達が、エチオピアの未来を担う指導者に成長されるものと信じています。

日本とエチオピア両国の外交樹立50周年を祝福し、大使公邸での料理教室、前駐エチオピア日本大使による講演会、またエチオピア・ナイトの開催など、多くの記念行事を企画して参りました。さらに先日5月には愛知万博会場でのナショナルデーに参加するため来日した、エチオピア民族舞踊団の東京公演の後援をいたしました。

嬉しいことに、協会の役員はじめ会員の皆様は積極的に活動に参加され、活動範囲は大きく拡大しつつあります。記念すべき50周年の頭尾を飾る企画は、今秋予定されているエチオピアへのグループ旅行で、エチオピアの人々と共に50周年を祝おうというものです。

大変嬉しいことは、両国関係は市民レベルの交流を通して年々深まっています。アフリカの、特にエチオピアの発展を間近に見たいと希望しています。

エチオピアの更なる繁栄と安定とをお祈りし、ご挨拶とさせていただきます。

ユネスコに登録されているエチオピアの世界遺産

エチオピアは興味深いそして素晴らしい多くの観光名所を持つ国です。歴史、文化、そして自然の魅力が三拍子揃っており、エチオピアを大変ユニークな観光地としています。これら観光名所のうち、以下の7ヶ所がユネスコの世界遺産に登録されています。

  1. アフリカのイスラエル:ラリベラ
  2. 石碑の文明:アクスム
  3. 城の街:ゴンダ-ル
  4. 死人の町:ティヤ
  5. セミエン山脈
  6. アワッシュ渓谷
  7. オモ川下流

観光のページ参照

エチオピアの概要

歴史

エチオピアに残る古代文化は紀元前に遡ります。発掘された化石は、エチオピアが人類のゆりかごである事実を立証しています。古代のほぼ完全に近い人骨また洞窟で発見された壁画や道具などが、紀元前の繁栄を物語っています。

地形

面積120万平方キロメートルは、アフリカで7番目の大きさです。サブサハラ地域の、アフリカの角として知られる東アフリカに位置しています。海抜マイナス100メートルのアファールのダロール渓谷から、4000メートル以上のセミエン山脈までと、大変変化に富んだ地形で、高原地帯が多く見られます。最高峰はセミエン山脈のラス・ダッシェンと、バレ山脈のバトゥです。

気候

標高により気候が異なります。季節は10月から5月までの乾季と、6月から9月の雨季とに分かれます。

経済

エチオピアの経済は圧倒的に農業に依存しており、GDPの50%、輸出総量の65%、そして雇用の85%が従事しています。主要輸出品目はコーヒー、オイルシード、豆類、皮革製品等ですが、コーヒーがその内の85%を占めています。コーヒーの発祥地であるエチオピアでは、世界のコーヒー市場で高い人気を誇る高品質のアラビカ・コーヒーを生産しています。

交通

乗客および貨物輸送の90%以上が道路輸送に頼っています。エティオ-ジブチ鉄道はジブチ港とアディス・アババ、そしてディレ・ダワとを結んでいます。エチオピア航空は国際線・国内線とも操業していますが、アフリカで最も品質の高いサービスを提供しており、世界水準から見ても信頼を勝ち得ています。国内・国際線双方で近代的な航空機を保有しています。

人と文化

人口は約7000万人以上で、アフリカ諸国の中で第三位です。国民はそれぞれ異なる民族、宗教や言語をもつ人達で、クシ語を話す民族とナイル川流域の民族が、中東からのセミ族の移民と混ざり合ったと言われています。

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