エチオピアの輸出製品について
現在国内では経済の自由化が段階的に進められ、また民営化を促進する環境作りに積極的に取り組んでいる政府の試みは、輸出の拡大に大きく寄与しています。 自由市場を継続的に向上させる基本的な政策のほか、エチオピアは輸出セクターが発展し得る多くの利点を有しています。例えば豊富でしかも有能な労働力、低賃金、変化に富む気候風土や土壌、EUまた中東市場への比較的容易なアクセスなどです。さらに合計2憶6千万の人口を擁するアフリカ大陸の東南地域諸国共通市場(COMESA)へも、エチオピアから輸出されています。
現在の主要輸出品目は、コーヒー、家畜製品(なめし皮、皮革、家畜動物や食肉)、オイルシード、豆類、果物、野菜、花、繊維、ナチュラル・ガム、スパイス、そして地下資源鉱物などです。これら輸出製品の供給量や品質の向上を目指すほか、さらに今まで扱っていなかった高い付加価値製品に対する投資も奨励しています。資源の発掘には多額の資本投資が必要とされますが、外国投資(合弁企業や市場調整なども)を促進するため、輸出セクターは多くのインセンティーブス(奨励策)を提供し、経済発展に向けて重要な働きを担っています。エチオピアと日本両国の貿易関係は、年々深まっています。エチオピアから日本への輸出品目は、コーヒー、皮革製品、スパイス、種油、ナチュラル・ガムなどです。エチオピアのコーヒー(日本ではモカ・コーヒーとして知られていますが、)は、日本で大変人気があり、エチオピアからのコーヒー輸出総量は日本市場でブラジル、コロンビア、インドネシアに続き第4位にランクされています。エチオピア連邦民主共和国大使館の私共は、エチオピアでのビジネスに関心のある皆様に、いつでもご協力できる体制が整っています。
コーヒー
アフリカで1位、世界第3位のコーヒー生産地コーヒーは、エチオピアの最大産業で、世界でも高品質なアラビカコーヒーを生産しています。エチオピアは、アフリカ大陸においてコーヒーアラビカ種の最大生産地であり、世界第3位の生産国です。また、コーヒーはエチオピアの主要輸出品で、総輸出額の半分以上を占めます。農家にとっての最大の換金作物でもあります。日本へも長年多くのコーヒーがエチオピアから輸出され、「モカ」コーヒーとして親しまれてきました。
コーヒー発祥の地「コーヒー」の語源はエチオピアの「カッファ」と呼ばれる地域に由来されています。エチオピアで発見されたコーヒーは、まず隣国や中東へと広まり、そこから世界へと伝わりました。
コーヒーにとって最適な環境エチオピアの生態学的環境が、多様なアラビカ種の栽培に最適です。標高500メートルのセミサバンナ気候から湿り気のある標高2200メートルの高地森林域までコーヒー栽培にとって最適な気候が揃っています。主に南西部で生産されていますが、高地でのコーヒー栽培は、標高1500メートルから2100メートルです。pHが4.5から6.5といった理想の土壌があり、雨量も 1500-2500mmがバランスよく降ります。
高品質なエチオピアの有機栽培コーヒーエチオピアは世界一多くのコーヒー遺伝資源を有し、6000種以上のコーヒーが発見されています。殆どのコーヒーは有機栽培で、生産量の60%以上が森林または準森林コーヒーです。それら森林の土壌は、落ち葉などの自然肥料が豊富で、害虫や寄生動物とのバランスが自然に保たれる生態系が生じ、化学肥料を必要としません。ハラール、イェルガチェフェやシダモは、非常に高いプレミアムで取引されています。
以下は、世界でもユニークなエチオピアン・コーヒーの種類です。
ハラール・コーヒー
世界でも最高級のプレミアム・コーヒーの一つです。エチオピア東部の高原地帯で栽培されます。豆のサイズは中級で、色は黄緑色です。味は程よい酸味と、豊かなコク、そして独特のモカ・フレーバーが特徴です。
ウォレガ(ネッケムティ)・コーヒー
エチオピアの西部で生産され、豆のサイズは中から大粒で、フルーティな味覚で知られています。「緑っぽい」または「茶色っぽい」豆で、程好い酸味とコクとを兼ね備えています。このフレーバーをブレンダーとして重宝しているロースターも多くいますが、単独でグルメ・コーヒーやスペシャル・オリジナル用フレーバーとしても販売されてもいます。
リム・コーヒー
スパイシーでワイン風のフレーバーが知られ、特にヨーロッパやアメリカの多くのロースターを惹きつけています。程好い酸味とコクを持ち、ウォッシュド・リムはプレミアム・コーヒーの一つです。豆のサイズは中級で丸っこいものが多く、緑っぽい色をしています。
シダモ・コーヒー
グルメおよびスペシャリティ・コーヒーのブレンダーとして用いられています。豆は中級で、緑っぽい色をしています。シダモ・ウォッシュド・コーヒーは、バランスの取れた味覚とフレーバーで知られています。程好い酸味と深いコクを持つシダモ・コーヒーは南部地域で栽培されています。
イルガッチェフェ・コーヒー
フローラと呼ばれる際立つフレーバーで、ウォッシュド・イェルガチェフェは最高級の高地栽培コーヒーです。程好い酸味と深いコクを備え、その繊細で洗練されたフレーバーは多くのロースターを魅了し、大変人気があります。
これらの他にも、弱い酸味でありながら深いコクで知られる「テピ」や「ベベカ」、更には、スペシャル・ブレンドとして用いられる種類も数多く揃っています。
現在、エチオピアのコーヒーの大部分は、近代的な農産物取引所である「Ethiopian Commodity Exchange」の厳しい品質管理の基、取り引きされています。スペシャルティーコーヒーなどは、コーヒー農園または組合から直接日本へ輸出されることもあります。
【コーヒー・セレモニー】
コーヒーを日常的に飲む習慣はエチオピアから始まり、集会や祝い事、また哀悼の場などで用いられてきました。コーヒー豆を煎じ、砕き、そして沸かしていただく コーヒー・セレモニーは、エチオピアの社会生活に今でも欠かせないものとなっています。豆を煎じ、また沸かす為の炭火コンロが置かれる床には、新鮮な草や花が敷かれ、またインセンス(お香)を焚いて辺りの空気を清めます。エチオピアのコーヒー・セレモニーは、最低1時間程かかります。その間に3杯のコーヒーをいただきながら、近隣の友や家族の語らいの場となっています。
エチオピアン・コーヒー(モカ・コーヒー)を飲みましょう
-世界で最初に発見された、そして最良のコーヒーです。
切り花産業(バラなど)
エチオピアは、バラを初めとする切り花や園芸を栽培するには、最高の立地と気候条件を満たしています。この産業は、1998年頃から始まったばかりですが、今ではエチオピアの主要輸出産業で、花卉生産量はアフリカで第2位です。
多くの美しいバラを始めとする切り花が欧州や中東、北米、アジアへと輸出されています。
欧州や中東の外国企業は、エチオピアの広大な土地で切り花や園芸栽培も営んでいます。
【バラ】
エチオピアは特にバラの栽培に適しています。バラは、温度管理などがコンピューター化されたグリーンハウスで丁寧に生産され、日本にも多くのエチオピア産バラが輸出されています。。
皮および皮革産業
家畜動物の保有数において、エチオピアは世界第10位で、アフリカでは第1位です。中でもエチオピアの高原に住む羊の皮革は、グローブの材料として世界的に有名であり、その品質と特徴が広く知られています
近年、皮革の最終加工技術が向上し、従来のウェットブルーなどではなく、最終加工品としてのなめし皮も輸出されています。
皮革製品では、グローブ、手袋、靴、かばん、衣類などの有名ブランドを含む製品を国内工場で生産しています。
欧州やアジアの企業がエチオピアで皮革製品の工場を設立し、米国のAGOAや日本の特恵関税などを活用し、ますます輸出が盛んになってきています。
【主な皮革製品】
靴やサンダル
グローブや手袋
ジャケットなどの衣服
かばん
財布などの小物
鞍、馬具
最終工程後のなめし皮
オイルシード(ゴマなど)
エチオピアの様々なオイルシードの大半は有機栽培で、香りや栄養価が高いことで知られています。
エチオピア世界第4位のゴマ生産国です。
特にエチオピアの白ゴマは世界市場で等級を決める際の基準として用いられ、近年、日本へも多く白ゴマや油糧用のゴマが輸出されています。
【主なオイルシード(国内市場用含む)】
ゴマ(白ゴマと油糧用ゴマ)
その他
菜種、亜麻仁、落花生、ヒマワリ、ニガーシード、綿実 等
天然ガム
エチオピアの特異な気候風土は、建設業界や薬品用に使用される植物を育んできました。アカシア、コミフォラ、ボスウェラ(Commiphora & Boswellia)などの木々は、不毛また準不毛の地域で、貴重なガムを生産する植物達です。
ガムの生産拡大を望む傾向は、手間のかからない食品の消費が伸びているため過去数年高まっています。大半は添加物(調味料)業界からの需要によるものですが、併せて健康志向の高まりなどが、自然素材の濃縮加工の増加に拍車をかけています。
輸出用のガム製品は、ボスウェリアから採取されるガム・オリバナム、コミフォラから取れるガム・ミルラやオポポネックス、またアカシアなどから採取するガム・アラビックなどです。
薬用以外でも、飲料品、キャンディやガム、菓子類、日用品、ゼラチン、ナッツ、プリン、野菜缶詰などの製造業界で、幅広く使われています。代表的な用途として
Gum Olibanum | Gum Myrrh | Gum Oppoponex | Gum Arabic |
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- 粘着性凝固剤
- 濃縮剤、安定剤、フレーバー、食品の染色固定剤や乳化剤、
- 飲料品の浄化
- ゴム製品のリリース
- 化粧品の材料
織物繊維と衣料
繊維産業はエチオピアで最大の製造産業です。。14の国立および民間所有の繊維および衣料工場を持っています。雇用人数は約30,000人で、生産業全体の36%のシェア-を維持しています。
繊維の種類としては、綿、ナイロン、アクリル、ウールや綿の毛布、また裁縫糸などです。
衣類の主要材料として使われる綿生地の国内生産における潜在能力は、現在の紡績実績をはるかに上回ります。そして安価な労働力は、輸出開発を促進する上で非常に可能性の高い分野としてご検討いただけます。
綿織物および糸の生産は;
綿糸は/漂白されている、または、灰色/梳いてある、または、毛羽立っているもの/で夫々 81/2、10、21、30、40、50、60、80、となっていますが、要請に応じて変更することが可能です。
100%ポリエステル、または綿糸は、異なる色や量が揃っています。
- 100%綿で、40/3、50/3、60/3
- 100%ポリエステルで、60/3、
- 5,000m、または1,000m巻き
- 業界用の5,000m、または10,000mのコーン
紅茶
紅茶の品質は気象状況、土壌の性質、そして加工方法により異なります。エチオピアの紅茶は、木々が密集している肥沃な高地で栽培されており、肥料は殆ど使われていません。
さらに、豊富で安価な労働力は、化学薬品による除草に代わり、農民の手による除草を可能としています。この様に殆どすべてが有機栽培であり、その豊かな自然の香りは徐々に注目され始めています。この事実は、エチオピアの紅茶輸出業者の一つ“Tea Production and Marketing Enterprise”が、スペイン、マドリードのB.D.Iにより、”International Gold Star”を受賞したことでもお分かりいただけると思います。
地下資源鉱物
現在までの行われてきたリサーチでは、国内の多くの箇所で、輸出基準に叶う豊富な資源が眠っていると報告されています。大きな可能性と比べて、実際の発掘規模は未だ小さいものですが、輸出市場に供給されている地下資源物質は、金、プラチナ、大理石、花崗岩、タンタルなどが挙げられます。その他の金属または非金属鉱物、例えば、銅、鉛、亜鉛、銀、石膏、ライムストーン、石英、黄鉱石などの埋蔵は、国内の多くの地域で認められています。
エチオピアの地下資源鉱物の多くは、アフリカ東部や南部、またアジアやオセアニアの国々への輸出が比較的容易くできます。それはヨーロッパや北米からエチオピアへの既存の輸入経路を利用すれば、お得で低価格の運賃が可能となるからです。
さらに、高品質を誇る大型の石、未加工および加工済みの大理石、花崗岩、ライムストーンなどは、国内および国外で使われています。
その他
エチオピアから世界市場に輸出されているその他の製品は:
- スパイス
- ジャコウネコの皮
- 飲料品
- 蜜蝋
- 穀物類
- 胆石
- 魚