第16回ナショナル・デー

エチオピア持続開発の道を確実に

アブディラシッド・ドゥラネ 駐日全権大使

アブディラシッド・ ドゥラネ エチオピア駐日全権大使

アブディラシッド・
ドゥラネ
エチオピア駐日全権大使

第16回ナショナルデー及び新たな3回目のミレニアムの始まりの特別な年に際し、エチオピア連邦民主共和国政府及び国民を代表し、明仁天皇及び美智子皇后両陛下、皇室の皆様、日本政府及び国民の皆様へ衷心よりご多幸をお祈りし、謹んでご挨拶申し上げます。

独裁的な軍事社会体制の崩壊後、エチオピアは平和、民主、発展への道を歩んでおります。貧困削減や持続開発への政策は平和の中におかれております。教育、健康、水の供給範囲において著しい改善を成し遂げ、地方都市における道路普及率、電気供給、通信は大きな成長を示しています。

教育においては、国連ミレニアム開発目標の達成が現実化に近づいています。過去4年間の目覚しい成長維持は、確実にユニバーサルアクセス、水の供給、健康、電気、他の分野における普及への達成度を高めました。

エチオピアと日本の両国相互関係は半世紀以上にわたります。相互の関心や尊敬におき、この暖かく衷心ある関係は、向上し続けています。日本はエチオピアへ、教育、健康、インフラ、食料生産、安全、水資源において確実な開発援助を供給して下さる主な経済パートナーであります。これらの不可欠な人間の安全保障や貧困削減の分野における援助は多くの国民の社会生活向上に変わっています。

日本はエチオピアの主な貿易相手国の一つです。モカコーヒーは多くの日本の皆様にも好まれている飲み物です。去年、日本はドイツに次ぎ、エチオピアコーヒー輸出の20%を輸入しました。 現在、日本企業とエチオピア輸出業者が連帯となり、エチオピアの輸出コーヒービジネスに付加価値を付けるためコーヒーの焙煎や袋詰めの機械をとりつける取り組みを行っています。年の終わりまでに完成することを期待しています。エチオピアはまた、ゴマの種を大量生産しています。ゴマ油の抽出や瓶詰めにおける付加価値ビジネスの機会を投資家の方に持っていただけます。

エチオピアの花も日本への重要な輸出のアトラクションになってきています。去年、JETROの協力のもと、IFEX2006にてエチオピアの花が他の東アフリカの花とともに展示されました。JETROプロジェクトの評価、多くの輸入業者からのフィードバックやお会いした栽培者はエチオピアのバラの高品質を確証しました。

今年の3月にはアディスアベバでフラワーフェアーが開催され、フラワー企業が何社か参加し、栽培地を訪問されました。何社かはすでに花輸入を始め、他社も輸入準備に取り掛かっています。
花輸出が去年の四半期に初めて始まったことを考えると、今年初の四半期は著しい進歩(140万本)になります。

花作りにおける投資は発展し、急上昇しています。製品原料や他の資本財の税金及び関税の免除、また適切な免税期間を含む投資家にとって魅力となるものがあります。ことわざにもあるように百聞は一見にしかず。エチオピアを訪れて、これらの寛大な魅力から利益を得ている国内海外の投資家に参加して下さい。

文化面では、エチオピア大使館のモカダンスグループが展示会、バザーや様々な場でエチオピアの国や人々の豊かで多種多様なダンスを紹介し、何千人もの日本の観衆を楽しませています。

エチオピアの伝統的なコーヒーセレモニーは日本で知名度が出てきています。ビジネス、旅行代理店、教育機関はこのユニークなセレモニーに注目し始めています。

4月にエチオピア歴史遺産の初めての国際シンポジウム(ミレニアム祝賀活動の一環)が、日本建築学会建築会館で開催されました。エチオピア大使館、エチオピア歴史遺産会議実行委員会、日本経済新聞社の協賛によるイベントは高官、世界遺産都市のゴンダール、ハラールの行政官、政策決定者、エチオピアや日本からの専門家や学生達を魅了しました。歴史遺産保護の経験知識がリアルタイムで話されました。この分野において、慶応大学とメケレ大学の協同で築かれた関係は感心するもので、さらなる関係の強化が求められます。

今年9月12日までに、エチオピア3度目のミレニアムの始まりをお祝いします。世界中から何千人もの人々が首都アディスアベバやエチオピアの他都市に、エチオピア限定の催しとなる、生涯で2度目になる新たなミレニアムの熱気をもう一度、見て体験をしお祝いをするために集まります。また、壮大で無類の歴史ある自然や文化の魅力を味わい、活気に満ちた目を奪われるようなミレニアム祝賀イベントを観ることは一生涯の経験になります。

日本国内国外の旅行者の皆様に早めにフライトを予約していただき、この生涯のチャンスを逃さないことをお願いします。

この大切な日に、両国及び人的関係の強化にあたり、日本エチオピア友好議員連盟、日本エチオピア協会、モカダンスグループ、海外青年協力隊OB・OG会、エチオピア関係者皆様、日本エチオピアコミュニティーの私の同胞達により果たされた大いなる賞賛に値する努力に感心させられる思いです。

この場をおかりして、読者の皆様及びこの特別ページを後援して下さったエチオピア国営航空、株式会社ワタル、株式会社イーグルシッピングジャパン、株式会社ユニカフェの皆様に向けてのご挨拶の機会を下さったJAPAN TIMESの皆様に御礼申し上げます。最後に、皆様のご多幸、安定、平和、繁栄のある3度目のミレニアムをお祈り申し上げます。

エチオピアのあたたかい記憶

小泉純一郎 前首相

小泉純一郎氏

小泉純一郎氏

エチオピア連邦民主共和国及び国民の皆様へ謹んでナショナルデーのお祝いを申し上げます。

日本の首相としてエチオピア連邦民主共和国へ公式訪問して以来1年と少しが経ちました。

メレス・ゼナウィ首相やアフリカ連合の委員長達との会談は素晴らしく、訪問はもっとも充実したものとなりました。

あたたかいもてなしをして下さったエチオピア政府と国民の皆様に繰り返し、感謝の気持ちを申し上げます。

首都の名前アディスアベバは「新しい花」という意味であると教えていただきました。街は景色のよい高地に咲く実にかわいい花のようでした。

1960年の公式訪問の際に天皇皇后両陛下が訪問した宮殿内の庭園で、日本の伝統的な茶道に似た伝統的なエチオピアの作法でコーヒーを堪能しました。そのような環境で本物のコーヒーを味わうのは大いなる喜びでした。
また、宮殿内でエチオピアのライオンを見学しました。長い歴史の中で独立を維持したエチオピアの威厳たる強い象徴を感じました。

最後に9月12日に始まるエチオピアコプト暦による3回目のミレニアムに向けエチオピアの皆様の末永い平和と繁栄をお祈りします。

世界へ影響する二国間友好関係の可能性

二階俊博 自由民主党国会対策委員長 衆議院議員

二階俊博氏 自由民主党 国会対策委員長 衆議院議員

二階俊博氏
自由民主党 国会対策委員長 衆議院議員

本日、エチオピア連邦民主共和国が、第16回ナショナルデーをお迎えになられたことに対し、心からの祝意を表します。日本・エチオピア友好議員連盟の結成を提唱し、長年その活動に携わってきた国会議員の一人として、誠に慶賀にたえません。

旧約聖書に登場する`シバの女王‘と`ソロモン王’の伝説に起源を持つエチオピアの3000年に及ぶ歴史と文化と伝統は、私たちの想像を超えるものです。しかもその間、一貫して独立を維持してこられた偉大な民族の誇りと伝統に、多くの日本人は深い尊敬の念を禁じ得ないのであります。

日本人がエチオピアと聞いて真っ先に思い浮かべるのは、アテネオリンピック女子5000m走の金メダリスト、メセレト・デファル選手の活躍など、エチオピア陸上競技の栄光であり、その筆頭が、1964年の東京オリンピック・マラソン競技の金メダリスト、アベベ・ビキラ選手であることは、あらためて申し上げるまでもありません。

私はかつてエチオピア訪問の節、アベベ氏のお墓に参拝させて頂きましたが、彼の勇姿はエチオピアの英雄として、日本の国民の脳裏に焼き付いています。

我が国とエチオピアの交流は、1927年の日本・エチオピア友好通商条約の締結を嚆矢といたしますが、今年はちょうど80年目にあたる記念すべき年となります。この間、日本とエチオピアとの関係が、第二次世界大戦に伴う中断があったものの、一貫して友好を旨としてきたことは、両国にとって誠に幸運な80年でありました。

1956年には親日家であられたハイレ・セラシェ・エチオピア皇帝が訪日され、また1960年には皇太子殿下、現在の天皇陛下が貴国を訪問されるなど、両国は深い友好の絆で結ばれて参りました。

このように長い友好の歴史を有し、深い絆で結ばれた日本・エチオピア両国ですが、21世紀を迎えた今日、新たな協力関係を構築すべき時期に立ち至っていると考えます。近年我が国は、その経済力や長年培ってきた国際社会への貢献の蓄積を、さらに人類全体の平和と発展に役立てるべく、国際社会との連携強化を図っておりますが、豊かな天然資源に恵まれ、将来性に富むアフリカ諸国との関係は特に重要で、中でも、首都アジスアベバにアフリカ連合(AU)など国際機関を有するエチオピアは、アフリカ諸国のリーダー的存在として、特に重要なパートナーであります。

私は1985年にエチオピアを訪れ、難民救済のために微力を尽くした経験があります。その後も日本・エチオピア友好議連に名を連ねたご縁もあり、再度貴国を訪れる機会に恵まれましたが、そのたびに変わる風景、近代化された街並みを見るにつけ、貴国の活力と無限の可能性に驚嘆の思いを禁じ得ません。

2006年に総理大臣として初めてエチオピアを訪問された小泉首相も、アジスアベバにおいて、メレス・ゼナウィ首相と両国の協力について話し合われておりますが、21世紀の人類は、エネルギー、環境など、人種や宗教の垣根を越えた諸問題に一致結束して取り組んでいかなければならず、そのため、日本とエチオピアはこれまで温めてきた伝統的な友好関係をさらに発展強化し、人類全体のために協力していかなければなりません。

東洋には「百聞は一見にしかず」という言葉があります。その歴史と伝統・文化を自分の目で確かめて、温かい人情に触れることは、遠く離れた両国国民の相互理解のために、何物にも代え難い貴重な体験になるでしょう。

私とエチオピアとのご縁も、1985年の訪問に端を発するものであることを想起すれば、両国国民が相互に訪問しあい、互いに触れ合い、理解しあう機会を増やすことが、アジアとアフリカという地球の反対側に位置する両国国民に、心の架け橋をかける最も効果的な道筋であると信じます。

今日の良き日にあたり、両国の友好関係発展を祈り、第16回ナショナルデーへの祝賀の挨拶とさせて頂きます。

草の根交流で強い絆

梅田貞夫 社団法人日本エチオピア協会会長

梅田貞夫氏 社団法人 日本エチオピア協会 会長

梅田貞夫氏
社団法人
日本エチオピア協会 会長

日本エチオピア協会を代表し、エチオピア連邦民主共和国政府と国民の皆様へ、第16回エチオピアナショナルデー及び9月12日に始まるエチオピア暦における3回目のミレニアムに際し、謹んでお祝い申し上げます。

日本エチオピア協会は、36年の歴史において人的交流を推進してまいりました。奨学生制度、昨年の夏、エチオピア南部と東部でおきた洪水被害者への基金募集、人道ネットワーク活動を通した文化、学術、経済のような両国関係の向上と世界平和を目的としたエチオピアを愛する会員は親善活動の発展を守っております。

奨学生制度においては、2001年の計画発足以来、現在までエチオピアで学ぶ45名の大学生を支援しております。多くの学生の方々が功績をもって卒業され、それぞれの学部で勲章を授与することにより我々に感謝の意を表して下さいました。代表が今年の2月にエチオピアを訪問した際、奨学生の皆様と昼食懇親会を開き、意見交換できたことを嬉しく思います。駐エチオピアの日本大使館の駒野欽一特命全権大使、エチオピア外務省アジア・オーストララシア局長マハディ・アフメド・ガディド大使、当協会の現地会員を含め約30名が昼食懇親会に参加しました。わずかでも心のこもった財政援助が、何千キロも離れたところに住み、彼らの夢を気にかけ展望を分かち合う誰かがいることを感じてもらえることを発見しました。

このように教育を享受された若者が将来エチオピアでのリーダーシップの役割を身につけ役割を身につけ、貧困撲滅に先ず取り組んでくださることを望んでおります。学術的な交換は大学間でも進んでおり、四国の徳島大学とエチオピアのゴンダール大学は、微量栄養素、HIV、結核のような健康生命科学や環境分析のような社会工学科学の分野で共同リサーチのための学術協定をもうすぐ締結します。

慶応大学は、エチオピア北部にあるティグレイの岩窟聖堂郡にある壁画の復興に長い間従事し、エチオピアの他地域の都市計画にも携わっています。彼らの業績はエチオピアの建築を慶応大学で同じように学べるよう地方大学での授業を日本から講師を送ることにより開講にいたりました。
協会はできる限りの学術活動を支援しています。

去年10月、エチオピア協会恒例の年間イベント「エチオピア料理とダンスの夕べ」では、35周年記念も行われ400名もの参加者を魅了する場となりました。プログラムはエチオピア料理、コーヒーセレモニー、エチオピアダンス、日本舞踊、琴や空手のような両国の興味深い伝統の文化交流にわたりました。

また、日本エチオピア協会を10年から33年の間にわたり成功への援助をして下さった法人会員6社及び個人会員48名の皆様に感謝状をお贈りしました。

去年、ギルマ・ビル・ゲダ通産大臣、テケダ・アレム外務担当国務大臣が来日されました。当協会も夕食懇談会を開きました。このような価値ある人的交流を通し、年々、両国関係が強く深まっていることを嬉しく思います。強い絆を通し、エチオピアのさらなる発展を望んでおります。エチオピアの今後の繁栄と安定への探求が成功しますよう謹んでお祈りいたします。

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