メレス首相、GDP率8.55%の成長見通しを発表 アディス・アババ 2006年7月4日
メレス・ゼナウィ首相は、ミレニアム開発目標(MDGs)の平均達成数値を上回る、GDP成長率8.55%の見通しを発表した。
火曜日に開催された、国民代表会議の閉会式で、メレス首相は「貧困削減や経済成長の短期実現はエチオピアの国家課題であり、エチオピアは今年度(エチオピア暦1998年度)は、これら目標を成功裏に達成した。」と述べた。
メレス首相によると、この8.55%GDP成長見通しは、過去11ケ月のデータを基本にして作成れており、民主主義の実現、平和構築、また開発目標など、政府の取組みを強調したものである。
GDP成長率の平均数値6%または7%は、MDG目標達成のための数値であるが、政府はこの数値を基に7%から10%の成長率を設定した。メレス首相は「今期成長率を見る限り、国民代表会議で決定した“5ヶ年計画”の一年目は、着実な成功であると。」と語った。
「我々の経済発展は輸出先導であり、今年度の輸出は急速に伸びている。」と、そして過去11ヶ月間のデータについて、「国家の総輸出量は約20%の伸びで、これは今年度の輸出予想率20%と等しい。」と語った。
「輸出の伸び率が、経済成長全体の二倍以上の速さで伸びている事実は、我が国の経済は、開発政策に則って順調に進んでいることを示している。」と首相は述べた。
輸出と比較した輸入比の大きなギャップ、25%について、首相の報告には、輸入内訳が食料品など絶対必需品から、国家の経済発展を促す“開発原材料や資本財”などへ移行しており「健全な数値”を示している」と語った。
過去11ヶ月の輸入総量のうち、消費品目が29%で、資本財が33%、原料と半加工製品で20.6%、残りは主に燃料である。
「過去11ヶ月の政府歳入は141億4千万ブルで、前年度の通常政府歳入と比較して25.6%の増加である。」と、首相は報告の中で述べている。通常政府歳入の徴収率は目標の86.8%である。
過去の同時期の政府予算は207億ブル以上で、その内80.5%が運用されている。
これら数値は、経済成長が積極的かつ加速されていることを示しているが、予想以上に高いインフレ率は、ネガティブな一面を含んでいる。インフレ率は実際12.4%で、予想率10%を上回っている。
特に燃料輸入費と必需品の需要増加との双方が刺激し、インフレ率が経済成長に歯止めをかけている。メレス首相は燃料に関して「政府は継続的なインフレによる経済への圧迫を削減するため、援助金を拠出する。」と語った。
「需要の伸びは、短期間では問題となるが、中期また長期的視野で見た場合は、持続的成長をもたらす源となる。それを証明するものとして、砂糖とセメント生産の大規模な投資が現在進められており、必需品の需要は現在の生産能力を大幅に上回る。」と首相は述べている。
「この様に、投資プロジェクトによる生産体制が整った場合は、砂糖は現在の5倍、セメントは少なくとも3倍の生産量が期待されている。同様に、穀物類の価格上昇も、その時点では深刻な問題でも、農民にとっては農作物の生産量を増加する刺激となり、それが農業分野の成長へと繋がるプロセスとなりうる」と述べた。
「貿易および産業分野で大幅な成長が見られ、民間起業家への投資活動は、いまだかってない規模で進められている。」とメレス首相は語っている。
政府の取組みは、経済開発、平和、民主主義、そして国民全ての利益をもたらすグッド・ガバナンス等、総合的な分野に着手している。メレス首相は最後に、全てのエチオピア国民に対し、「これら高度な目標の実現を目指し、政府の旗の下に一同に集おう。」と呼びかけ、レポートを締めくくっている。
(Ethiopia News Agencyより)
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