アベベ・ビキラの伝説はアテネへと続く

オリンピックはこの夏“原点の地アテネ”へと返り、今まさに開催されようとしています。そして今日までの輝かしいそして忘れがたい数々の記録を残した伝説の選手達が、再び鮮明に蘇ってきます。

オリンピックの栄光の歴史を遡るとき、裸足のアフリカ人、それまで誰も成し得なかった驚異の記録を樹立した大陸初の金メダリストは、世界中のオリンピックを愛する人達の胸中に、不滅の英雄として生きつづけています。二度のオリンピックで続けて優勝した伝説の人“アベベ・ビキラ”は、1960年ローマ市街を裸足で走り、引き続き4年後の「東京オリンピック」も、その年に行った虫垂炎の手術直後であったにもかかわらず、圧倒的な強さで優勝し偉大な記録を残しました。彼の英雄ともいうべき偉業は、エチオピアの男女青年達を勇気づけ、その伝説はアトランタ、そしてシドニーへと受け継がれているのです。この度の第２８回オリンピック大会に於いても、エチオピア選手はアベベ・ビキラの輝かしい伝説から学んだ勝利への強い執念で、再び歴史を塗替える素晴らしい競技を展開してくれるものと確信しております。

エチオピアのナショナル・チームはこの様な固い決意でアテネに出発しました。シドニーの女子マラソンで優勝しましたが、この度の人選から外れたファトマ・ロバを除き、エチオピア選手団２７人のスター・ランナー達は、エチオピアのナショナル・カラー「緑」、「黄」、「赤」の国旗をアテネの空に高々と掲げ、エチオピア国内また海外で応援しているエチオピア国民に、大いなる喜びと誇りとを持ち帰るため、万全の体勢でアテネで待機しています。

シドニー・オリンピックのマラソン勝者であるゲザハネ・アベラ(Gezahagne Abera)、バルセロナでの金メダリストのデラルツ・ツル(Derartu Tulu)、そして世界のメディアが「地球上で一番早い長距離ランナー」と発表したヒーロー走者ハイレ・ゲブレセラッセ(Haile Gebresellassie)、さらに最近頭角を現してきた若い走者ケネニサ・ベケレ(Kenenisa Bekele)など、世界陸上の祭典で４０年前にデビューしたヒーロー走者アベベ・ビキラの伝説を胸中に秘め、エチオピアの全選手達はアテネでも再び歴史的な勝利を勝ち取るべく準備は既に整っています。

在東京・エチオピア連邦民主共和国大使館は、全選手の幸運と大成功をお祈りいたします。

エチオピア連邦民主共和国大使館
平成１６年８月１１日
東京

2004年アテネ・オリンピックへ参加するエチオピア選手

エチオピアには、世界に類を見ない最強の中－長距離ランナーを産み出す、伝統に裏付けされた素晴らしい陸上プログラムがあります。エチオピアは前回のシドニー・オリンピックでメダルを8個獲得しました（金－４，銀－3，銅－１）。以下はアテネ・オリンピックに参加するエチオピア選手の参加種目および主要な記録、そして競技予定日時です。

1. マラソン

男子（レース日時－8月29日、24：00 日本時間）

女子（レース日時－8月22日、24：00 日本時間）

2. 10,000メートル

男子（レース日時－８月２1日、 午前04：05 日本時間）

女子（レース日時－8月28日、午前03:35 日本時間）

3. 5,000メートル

男子（レース日時－第1ラウンド－8月2６日、午前021:55 日本時間／ファイナル－8月29日、午前03:05 日本時間）

Kenenisa Bekele (ケネニサ・ベケレ)※10.000メートルにも出場
Silesh Shin (シレシュ・シヒン)※10.000メートルにも出場
Gebre-Egziabher Gebremariam (ゲブレーエグザブヘル・ゲブレマリアム)
※10.000メートルにも出場

女子（レース日時－第1ラウンド－8月21日、午前05:15 日本時間／ファイナル－8月24日、午前04:00 日本時間）

4. 1,500メートル

男子（レース日時－第1ラウンド－8月21日、午前01：35 日本時間／セミ・ファイナル－8月23日、午前03：50 日本時間／ファイナル－8月25日、午前05：40 日本時間）

女子（レース日時 － 第１ラウンド　－　8月25日、午前02：30 日本時間／セミ・ファイナル－8月27日、午前02：30 日本時間／ファイナル－8月29日、午前02：30 日本時間）

5. 800メートル

男子（レース日時 － 第一ラウンド―8月26日、午前03：00 日本時間／セミファイナル－8月27日、午前03：25 日本時間／ファイナル－8月29日、午前02：50 日本時間）